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有酸素運動と筋トレ

「良い関係」である有酸素運動と筋トレ


「筋トレと有酸素運動」という組み合わせ、割とよく聞くと思います。
トレーニングを実践されている方はもちろん、始めたことさえない方でも耳にしたことがあるかも知れません。

筋トレは、もちろん筋肉量や筋力のアップを図る運動です。そして、無酸素運動のひとつでもあります。
無酸素運動は、筋トレの他には短距離走などもそうです。短時間で高い負荷を体にかける運動のことであり、エネルギーの発生に酸素を必要としないことから「無酸素」という名前が使われています。

一方の有酸素運動は、具体的にはウォーキングや水泳といった運動を指します。酸素を使って体内の糖質・脂質をエネルギー源とするため「有酸素」と呼ばれており、筋肉への負荷は比較的軽めです。

有酸素運動と筋トレという組み合わせは、相互に言い影響を与え合う「良い関係」であり、体づくりに大きなメリットがあることが知られています。今回は、この組み合わせが持つメリットや「良い関係」について、詳しくお伝えしましょう。

有酸素運動を筋トレと組み合わせるメリットは?

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最初に言ってしまうと、有酸素運動と筋トレの組み合わせが持つ最大のメリットは、効率的に体脂肪を減らせることです。

筋トレを行うと、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは、体脂肪の分解を促す作用を持つホルモンです。この成長ホルモンが分泌された状態で有酸素運動を行うと、体脂肪が燃焼されやすくなります。つまり、痩せやすくなるわけですね。

有酸素運動だけでは、こうした効率的な脂肪燃焼はできません。
例えばウォーキングの場合、体重50kgの人がウォーキングを30分間行った場合の消費カロリーは、50kcalほど。このカロリー量は、板チョコレートに換算すると約2カケラ分です。30分ウォーキングしても、板チョコ2個分しかカロリーが減らないので、ダイエット的にはなかなか大変かも知れません。
しかし有酸素運動と筋トレとを組み合わせると、消費カロリーが増え、脂肪燃焼の効率が上がります。
ダイエットに取り組む人にとっては、筋トレ有酸素運動という組み合わせは特にありがたいと言えるでしょう。

ダイエット以外の面でも、有酸素運動と筋トレの組み合わせはメリットがあります。
体脂肪はどの部位も同じ割合で減っていくという性質を持っているため、有酸素運動で体脂肪を燃焼するだけではメリハリの利いたボディラインはなかなか作れません。しかし、筋肉を鍛える筋トレを組み合わせることで、バランスの良い身体づくりが可能になるわけです。

また有酸素運動と筋トレの組み合わせは、相互にポジティブな影響も与え合うのも特徴です。
有酸素運動の効果は、筋トレ時の心肺機能向上や怪我予防に繋がります。また筋トレによる基礎代謝/持久力の向上は、身体をリバウンドしにくい状態にすることで有酸素運動の効果を維持してくれます。
相互効果は、トレーニングの前後にも作用しているわけです。両者はいわば、実に良い関係と言えるでしょう。

有酸素運動と筋トレ、おすすめの順番やそれぞれの時間配分


ダイエットには特にありがたい有酸素運動/筋トレの組み合わせですが、実際に行う場合は順番や時間配分が大切になります。

先ほど説明したように、筋トレで分泌される成長ホルモンは体脂肪の分解を促す作用を持ち、有酸素運動での脂肪燃焼を効果的にしてくれます。
ですので、筋肉を落とさず脂肪を落としたい方は、「筋トレ有酸素運動」の順でトレーニングを行うのがおすすめです。筋トレを先に行うことで、血流の流れが良くなり、脂肪燃焼のスイッチも入りやすくなります。
またこの順であれば、集中力が大事な筋トレにもしっかり取り組めます。その意味では、筋肥大が目的の方にも「筋トレ有酸素運動」の順番はおすすめです。

有酸素運動/筋トレの時間配分については、運動の目的がダイエットか筋肥大かによって変わってきます。
トレーニング時間を1時間とした場合、ダイエット目的の場合であれば「有酸素運動40分/筋トレ20分」のバランスがおすすめです。筋肥大が目的であれば「有酸素運動1020分/筋トレ4050分」が良いでしょう。
自身の目的や体調によっては、「有酸素20分/筋トレ40分」「有酸素30分/筋トレ30分」といったバランスでもかまいません。detail_230509_02.jpg

有酸素運動の効果は、運動時間によって変わります


有酸素運動が、筋トレと良い関係であることがおわかりいただけたと思います。
その有酸素運動について、ここからは少し細かく説明していきましょう。まずは、有酸素運動の運動時間についてです。

有酸素運動は、運動の時間量によって効果が変わるのが特徴です。
ざっくりと言うなら、20分~40分であればダイエット効果が期待でき、40分以上であれば心肺機能の向上効果が期待できます。
有酸素運動では身体に蓄えられた糖質や脂肪をエネルギー源として燃焼しますが、この脂肪燃焼効果が、20分~40分の有酸素運動では特に高まるのです。ですので、20分~30分という時間はダイエットには最適と言えるかも知れません。

有酸素運動には、短い運動を1日に複数回行っても同じ効果が得られるという特徴もあります。
1回10分の有酸素運動を12回に分けて行っても、20分の運動と同じ効果を得ることができるわけです。また、毎日ではなく「1日おき」「2日おき」に分割しても、問題はありません。
さらに有酸素運動では、日常生活の「歩く」「走る」といった動作も運動量としてカウントすることが可能です。
「ジムなどで20分+通勤などで往復20分」といった運動をしている場合は、トータル40分の有酸素運動の効果が期待できます。

まとめて運動する時間を作るのが難しい場合は、「歩く」なども含めた形で1日トータルの有酸素運動の量を考え、トレーニングのメニューを考えるのも良いかも知れません。
合計で週150分程度になることを目指して有酸素運動を行うのも良いでしょう。自分のライフスタイルに合ったペースの方が、継続のハードルが下がり、効果も高まると思われます。

逆に、1回の有酸素運動を長時間にわたって行うのは、あまりおすすめできません。
1時間~2時間といった長時間の有酸素運動では、脂肪だけでなくタンパク質や筋肉なども分解してエネルギーに変わってしまう恐れがあります。筋肉量が低下すると基礎代謝が下がり、痩せにくい身体になりかねません。長ければ長いほど良いというわけではないのです。
有酸素運動は、1時間以内を目安にして、それ以上はやり過ぎないようにしましょう。長時間行うよりも、短時間を何回もすることが大事です。どうしても長時間行う場合は、エネルギーをこまめに補給できるスポーツドリンクや、運動時の筋肉でエネルギー源になってくれる必須アミノ酸のBCAAEAAなどの摂取を、おすすめします。

有酸素運動に向いている時間帯は、朝食前と夕方/夜

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運動時間の長さによって効果が変わる有酸素運動ですが、効果は運動の時間帯によっても変わってきます。
有酸素運動に向いている時間帯は、結論から言うと、午前中であれば「朝食前」、午後は「夕方から夜にかけて」です。この2つの時間帯についても、説明させてください。

【朝食前】

朝に有酸素運動を行う場合、起床から1時間~2時間後の朝食前が、理想的な時間帯です。
起床すぐの身体は糖がない状態なので、運動すると脂肪がエネルギーに変換されます。筋肉を使うことで血行促進と代謝の向上が進み、1日の身体活動による消費エネルギー量を増やすことにも繋がります。いわば、ダイエットにうってつけの時間帯となるわけです。有酸素運動の中でも、朝のランニングは特にダイエットに効果があります。

また朝の運動は、比較的スムーズに習慣化できて生活リズムを整えられるのも、大きな利点です。
運動中、朝の日差しを浴びると目覚めがすっきりしますが、こうした目覚めのサポート効果もこの時間帯の大きなメリットと言えるでしょう。

なお、朝食前に有酸素運動を行う際は、完全な空腹状態より「少し空腹」くらいの状態の方がベターです。完全な空腹状態だと、脂肪を燃焼するだけではエネルギーが足りず、筋肉まで消費してしまう恐れがあります。ですので、プロテインなどのサプリを上手く活用して「少し空腹」での運動を心がけてください。

【夕方から夜にかけて】
午後に有酸素運動を行う場合、夕方から夜にかけての時間帯が良いでしょう。
この時間帯の身体は、1日を通して体温が上昇しています。そのため有酸素運動による脂肪燃焼効果も高まるので、ダイエットには効果的です。

またこの時間帯は、一日を通して蓄えたエネルギーをしっかり活用できる点や、日常生活の中でも時間を作りやすい点も、大きな利点です。夜ランニングなどは、脂肪燃焼だけでなく筋力アップにも効果があり、紫外線の影響を軽減できるというメリットもあります。有酸素運動を行うには理想の時間帯、と言えるかも知れません。

有酸素運動が良質な睡眠に繋がるのも、この時間帯の利点でしょう。運動を就寝の3時間前まで終わらせると、睡眠の質も高まります。頑張り過ぎて寝る直前まで運動してしまうと、かえって目が冴えて眠りにつきにくくなるので、ご注意ください。

有酸素運動を行う際のポイントや、おすすめメニュー

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それでは、具体的にどのような有酸素運動をどのように行えばいいのか。その辺も、気になるところかも知れません。ここからは、おすすめの有酸素運動や、行う際のポイントなども紹介させていただきましょう。

有酸素運動には、水泳/ランニング/踏み台昇降/もも上げ運動/スクワット/エアなわとびといった運動が含まれます。中でもおすすめなのが、ジョギングとサイクリング、そしてウォーキングです。

ジョギングは、上下に弾む動きがある有酸素運動です。骨や筋肉に軽い負荷をかけ続けることができるため、効率良く脂肪を燃焼できます。サイクリングは、下半身をまんべんなく動かすことができる有酸素運動。足腰やお腹周りなど、全身の体脂肪を燃やすのに効果的です。
ウォーキングは、特に初心者におすすめの有酸素運動と言えます。簡単に始めることができて続けやすいですし、傾斜を上げたり歩く時間を延ばしたりして負荷を増やすと効果・メリットもさらに感じられるでしょう。また、ウォーキングなどの運動習慣を身に付けて基礎体力を上げると、メンタルヘルスにも良い効果が期待できると言われています。

また、トレッドミルやバイク、クロストレーナーなどのマシンを使って有酸素運動に取り組むのも、おすすめです。
トレッドミルは、日常での歩行に動きが近く、傾斜にするとお尻周りにも刺激が入って、消費カロリーを増やすことができます。トレッドミルでは膝関節への負担が心配な場合は、バイクを使用するのも良いかも知れません。特定のマシンに飽きてきた頃には、エアロバイクやクロストレーナー、ランニングマシンやステップマシンなども使ってみましょう。

なお、有酸素運動を行う際は運動の強度に注意してください。
低強度を心がけ、自分自身にとって無理なく続けることができるレベルで運動に取り組みましょう。

有酸素運動で何より大切なのは、継続です。成人の基礎体力向上のためには、130分以上×2回以上運動を習慣にすることが推奨されていますが、この運動量を確保する意味でも続けることをまず意識してください。
自分のライフスタイルに合った無理のない有酸素運動を、しっかり習慣化しましょう。習慣化することを第一に考えて、まずは気持ち早歩きぐらいのレベルから始めてみるのも良いかも知れません。

有酸素運動と筋トレの前には、準備体操はしっかりと

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最後に、準備体操の重要性についても説明させてください。
有酸素運動や筋トレの前には、準備体操をしっかり行いましょう。この準備体操は、怪我を予防するために行うものです。

準備体操で身体を徐々に動かしていくと、体温と筋温が上昇して組織・細胞の動きが活発になり、筋や腱が柔らかくなります。この作用によって関節の可動域が広がり、身体はなめらかに動くようになるわけです。関節を動かしていると、潤滑油の役割をする滑液が分泌されるため、動きはさらになめらかになります。加えて、筋肉と繋がっている中枢神経も運動によって刺激することで、筋肉の反射的な動きも高まります。このように筋肉の動きをスムーズにすることで、怪我のリスクを下げるのです。

関節や筋肉の温度が上がっていない状態でトレーニングを行うと、身体がしっかり動きません。そのため、捻挫/肉離れ/アキレス腱の損傷・断裂といった怪我をする危険性が高まります。
筋トレとして重い重量のトレーニングをしている時などは、特に危険です。負荷による関節のダメージが長期間にわたって残り、まともなトレーニングができなくなってしまうかも知れません。有酸素運動として水泳を行っている際に、水中で足がつると、溺れる恐れもあります。こうした事態を避けるためにも、準備体操はしっかりと行ってください。

また、主運動時に生じる心肺への急激な負担を軽減するためにも、準備体操は大切です。
準備体操を行うと、心拍数/呼吸数が徐々に上がって血流量が増え、酸素の供給量も増えます。この作用によって、肺や心臓の運動への適応性を向上させることが、主運動時の負担軽減に繋がるのです。
心肺機能が急激な運動についていけない場合、身体が酸素不足に陥ってしまい、意識を失うなど重篤な事故にも繋がりかねません。このようなリスクを避けるためにも、準備体操はしっかり行いましょう。


今回は、筋トレと有酸素運動との良い関係、そして有酸素運動を行う際のポイントなどについて、お伝えさせてもらいました。

お伝えした通り、有酸素運動にはダイエットに効果があります。そして、長時間よりも短時間を分けて行う方が効果的という特徴もあります。また、「歩く」といった日常の動作を運動量としてカウントできるのも利点です。ある意味で、これ以上はないくらい習慣化しやすいダイエット法、と言えるかも知れません。

日常の中で有酸素運動と上手く付き合い、筋トレと合わせた形で身体づくりに活かしてみては、いかがでしょうか。detail_230509_06.jpg

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