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ストレス解消と運動

運動とストレスの関係を詳しく知って、効率的にストレス解消!

運動をすると、「心も身体もリフレッシュできて、ストレス解消になった」と感じることが多いと思います。
ひょっとすると、このストレス解消効果を目当てにしてジムへ行く方は、本格的なボディメイクが目的の方より多いくらいなのかも知れません。

確かに運動を行うと、ストレスがなくなり、すっきりとした気分になれます。この体験は、特にスポーツをやっていた人でなくても、ほとんどの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
しかし、運動とストレスとの間にどのような関係があるのかをはっきりご存じの方は、あまり多くはないはずです。

運動とストレスの関係をより詳しく知れば、ジムでも効率的にストレス解消ができるかも知れません。
そこでここでは、ストレス解消と運動の関係や、効果的な運動法、さらにはストレスを溜めないコツについても解説してみようと思います。detail_230419_01.jpg

そもそもストレスとは?

運動とストレスとの関係の前に、まずはストレスがそもそも一体何なのかを確認しておきましょう。

ストレスは、外部から刺激を受けた際に心や身体に生じる反応のことを指します。
ストレスを生む刺激は、暑さ/寒さや騒音といった直接的なものに限りません。仕事や人間関係から生じる精神的な刺激であっても、それらに耐えられない時には緊張状態などの不調が身体的/心理的に起こります。いわば、自分自身の心と身体の外部にある全ての刺激から、ストレスは生じる可能性があるわけですね。

ストレスをもう少し細かく分類すると、「ストレス反応」と「ストレッサー」に分類することができます。
「ストレス反応」は、外からの刺激に対する身体の反応のこと。「ストレッサー」は、その反応を生じさせる刺激の素、つまりストレスの原因のことです。一般的に言う「ストレス」は、この両方の意味を含んでいる場合が多いかも知れません。

ストレスの原因である「ストレッサー」は、先述した通り、環境的なものから人間関係にまつわるものなど多岐にわたります。こちらも、もう少し細かく分類してみましょう。

1. 物理的ストレッサー 高温/低温/湿度といった天候や振動/騒音などの環境的要因
2. 化学的ストレッサー 化学物質による刺激、酸素の欠乏や薬害、栄養の不足など
3. 生物的ストレッサー 病気/睡眠不足/アレルギー反応といった身体的要因
4. 精神的ストレッサー 人間関係の悩みや精神的な苦痛、不安などの社会的要因

日常の中で起こる様々な変化が、ストレスの原因になるわけです。むしろ私たちは、ストレッサーに囲まれて生きていると言っても過言ではありません。身体に負担がかかる表面的なストレスも、精神的に辛くなる内面的なストレスも、無縁のままで社会生活を送るのは難しいでしょう。

だからこそ、ストレスをしっかり解消できる方法が私たちには必要なのです。

ストレスと運動の関係、そして「幸せホルモン」セロトニン

ストレスの解消法といえば、何と言っても運動です。
ここからは、ストレスと運動の関係について詳しく説明していきます。

「運動」と聞けば、筋力アップやダイエットをイメージする方が多いのではないでしょうか。いわゆる「追い込み」で、自分を厳しく鍛えるという感じの、あれです。
しかし、実際に運動されている方には気分転換やストレス解消といった効果を実感された方が多いことも、当社の調査では見えてきています。
また、運動やトレーニングを通じて達成感や充実感がしっかりと持ち、気分の落ち込みや自尊心の低下から回復できた方も、多いでしょう。

運動が持つこうした効果は、セロトニンと呼ばれる物質が分泌されることによって生じるものと言われています。
セロトニンは、脳の情報伝達のバランスを整える作用を持つホルモンです。このセロトニンが増えると、心が落ち着いてさわやかな気分になり、集中力が高まります。また、不安感や抑うつ感なども改善され、意欲的でポジティブな思考になると言われています。
こういった効果からセロトニンは、最近では「幸せホルモン」と呼ばれるようにもなりました。

この「幸せホルモン」であるセロトニンが不足した場合、人はストレスや疲労を感じやすくなります。不足状態が続くと、ストレスを溜め込みがちになり、やる気の低下や自分自身への自信の喪失、さらには免疫力の低下も招きかねません。なので、セロトニンの分泌につながる運動は積極的に行うべきなのです。

リズムを意識した運動を3ヶ月以上継続して行うと、身体はセロトニンを分泌しやすくなると言われています。またセロトニンに加えて、鎮痛効果や幸福感を生むためやはり「幸せホルモン」と呼ばれているエンドルフィンも安定的に供給されるようになり、ストレス/疲労の解消に効果を発揮します。その場その場のストレスを解消するだけでなく、元からストレスに強い心身を作るという点でも、運動は効果的と言えるでしょう。detail_230419_02.jpg

運動が持つ、様々なストレス解消効果

運動には、先ほど述べた「幸せホルモン」の効果の他にも、ストレス解消につながる効果が色々とあります。

まず挙げられるのが、睡眠リズムを整える作用でしょう。
ストレスが溜まると、寝ようと思って布団に入ってもついつい考えごとをしてしまい、寝付きが悪くなりがちです。
しかし、運動をすることで適度な疲労感を身体に与えると、スムーズに入眠しやすくなります。寝付きが良くなれば睡眠リズムも整い、睡眠の質向上にもつながるでしょう。
睡眠リズムの向上は自律神経を整えることにもつながるため、心身の健康維持の面でも有効です。

また運動は、単純に血行を促進することにより、冷えや肩こりなどを改善することもできます。
運動の効果として体重が減少したり姿勢が良くなったりもするため、足や腰にかかる負担も軽減できます。
筋力の向上や消費カロリーの増大、さらには血糖値の改善も、運動が持つ重要な効果です。

そもそも、適度な運動は投薬と同じような治療効果があり、精神疾患の治療においては実際に運動療法が導入されているほどです。
一方で、「トレーニング中は目の前のことに集中するため、嫌なことを考えなくて済む」という気分レベルのメリットも、運動にはあります。この点を重視してトレーニングに励む方も、実際にはかなり多いのではないでしょうか。
医学レベルから気分レベルまで、運動はストレス解消において非常に効果的な手段なのです。

ストレス解消に効果的な運動

ここからは、ストレス解消に効果的な運動について具体的に触れていきましょう。
筋トレと有酸素運動、そしてその両方の要素を含む運動についても、紹介しようと思います。

【筋トレ】detail_230419_03.jpg

筋トレを行うと、セロトニンに加えてテストステロン/アドレナリン/ドーパミンといったホルモンが分泌され、集中力の向上や気持ちを前向きにする効果が期待できます。日常の中では使わない筋力を必要とするため、疲労は伴いますが、ストレス解消にはうってつけの手段とも言えるでしょう。
大きい筋肉を動かすトレーニング、スクワットやベンチプレスなどは、特に効果が大です。

【有酸素運動】
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ウォーキング/ジョギング/ランニング/サイクリングといった有酸素運動を行うと、ストレス緩和の作用が生じると言われています。
このストレス緩和効果は、副交感神経が優位になり、脳内のセロトニンやドーパミンの分泌も増加するため生じるものです。有酸素運動では心肺機能なども積極的に利用するため、汗をかいて気分が晴れて、達成感もスムーズに感じることができます。

ストレス解消のために有酸素運動を行う場合は、運動の強度を低めに設定し、適度に汗をかく程度で行うのが良いでしょう。軽いランニング/サイクリング/ダンスなど、身体に空気を取り込みながら行う運動がおすすめです。また、呼吸を意識しながら行うストレッチやヨガ、サイクリング/ロードバイクや水泳もいいでしょう。

ストレス解消目的で運動する時のポイント

ストレス解消のために運動を行う時は、適度な疲労を感じる程度に運動量を設定しましょう。
ざっくり言えば、「すっきりした」と思えるくらいの感じで行ってください。

厚生労働省は、週1回/1時間くらいの有酸素運動が健康増進につながると公表しています。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/01/dl/s0119-5f.pdf
この「週1回/1時間」は、「週2回/30分」「週3回/20分」「週6回/10分」と分割しても効果があるため、自分のライフスタイルに合わせて運動することも可能です。

筋トレやその他のスポーツであっても、ストレス解消が目的であれば運動量の事情は変わりません。こうした運動では、「楽しい」または「気持ちがいい」と感じることが何より大切です。嫌な時やしんどい時に、無理をして運動を行う必要はありません。あくまで自分自身のタイミングで、週に1度でもいいので運動し、トレーニングの時間/空間を楽しむようにしましょう。

いきなり高負荷の運動を行わないのも、ストレス解消では大事です。
最初から負荷の強い運動を行うと、「ストレスよりしんどい・・・」と感じてしまい、継続が難しくなります。こうなると、ストレス解消の機会そのものまで減ってしまうかも知れません。

ストレス解消に向けた運動は、1回きりではなく継続した方が効果があります。日頃から継続して適度な運動を実践することが、大切です。そのため、運動を習慣化できるよう、低負荷から徐々に運動量を上げていく感じで取り組むのがいいでしょう。トレーニングに集中して自分の身体と心と向き合う時間を、一日に5分だけでも作って小まめにストレスを解消すれば、生活はより快適になるはずです。

あくまで「気持ちいいペース」をキープし、「ながら運動」ではなく時間を確保し集中して行う。これがストレス解消目的で運動する時のポイントです。この点を心掛けながら、空間移動を兼ねた運動や、セロトニンが活性化するリズム運動を行うと、効果的だと思われます。detail_230419_05.jpg

ストレスを溜めないためのコツ

最後に、ストレスを溜めないためコツにも触れておきましょう。
「そもそもストレスを溜め込まなければ、解消のために運動とかしなくていいんじゃないの?」という疑問に答えようと思います。

しかし結論から言ってしまうと、ストレスの形はそもそも多様であり、その溜め込み方や吐き出し方も人それぞれなので、いわゆる正解はありません。
たとえば、誰かといたい寂しがり屋タイプの人であれば、友達と会っておしゃべりしているとストレスが溜まらないでしょう。しかし一人でいる方が安らぐタイプの人であれば、こうしたおしゃべりは完全にストレスの種になってしまいます。じっとしていられないタイプの人であればイベントなどでストレスを解消できますが、家にいたいタイプの人は出かけること自体をしんどく感じるはずです。

ただ、身体的な面からのアプローチであれば、ある程度はどなたでも当てはまるかも知れません。
ストレスを溜めないためには、まず規則正しい生活リズムを自分の中で作りましょう。起きる時間と寝る時間を決めると、生活リズムが作りやすくなります。ゆっくりお風呂に入り、十分な睡眠で一日の疲れはその日のうちにとるのも、規則正しい生活には大切です。
ストレスを溜め込みそうになった時は、先ほど触れた運動ですっきりして、モヤモヤをなるべく明日へ持ち越さないようにしましょう。

メンタル面でできることと言えば、好きなこと/好きなものに取り組むことでしょうか。
自分がポジティブな感情になれることに無心で取り組めば、ネガティブな気分への耐性も少しは上がるかも知れません。旅行や映画鑑賞といった趣味を充実させたり、甘いものを食べたりするのも、ポジティブな感情を上げるのには効果的でしょう。
家族や友人など、本音で悩みを話せる相手を見つけることも、ストレスを溜め込まないためにはとても大切です。ストレスをストレスと感じないよう、嫌なことは忘れて深く考え過ぎないよう心がけるのも、有効かも知れません。


ストレスと無縁のままで社会生活を送るのは、なかなか難しいものがあります。
だからこそ、ストレスをしっかり解消できる方法が私たちには必要です。そして、運動はかなり確度の高いストレス解消法であり、継続するとさらに効果が上がることもおわかり頂けたかと思います。

ストレス解消でジムに通う場合は、まずは続けることが大切と言えるでしょう。
「ジムの宣伝だからそう言うんだろ」と言われるとその通りですが、でも運動後に感じるすっきりした気分は、ジムに通ったことのない方でもご存じだと思います。あの気分、あの感覚を継続して感じることが、人らしく生きるためにはとても大切なのです。

最近ストレスを感じている方は、自分にとっての「気持ちいいペース」で気軽に運動を始めてみてはいかがでしょうか。detail_230419_06.jpg

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