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筋トレと筋肉痛

筋肉痛の時、筋トレしてもいいの?「追い込み」は筋肉に効くの?

筋肉痛がある時、果たして筋トレはしてもいいのでしょうか?

痛いからと言って少しでも筋トレを休むと、せっかく続けてきたトレーニングの積み上げが崩れてしまう気がします。また、痛い時に敢えて自分を追い込めば、より強くなれる気がしなくもありません。苦しみを乗り越えることで、さらに強い自分になれる。トレーニングのみならず、日常生活の中でもそういった経験を持つ方は多いでしょう。

苦痛の克服は、確かに成長の大きな原動力です。継続が力であることも、間違いありません。ただこうした「追い込み」は、メンタルな面に効果が集中しているようにも思えます。筋肉でも「追い込み」は有効なのかどうか、実際のところはどうなのでしょう。

ここでは、筋肉痛がある時の筋トレの是非や、筋肉の「超回復」などについて、説明したいと思います。

筋肉痛がある時の筋トレは、基本的におすすめしません

最初に結論を言ってしまうと、筋肉痛がある時の筋トレは基本的におすすめしません。

筋肉痛は、筋肉が炎症を起こしている状態であり、痛みはこの炎症により生じると言われています。
炎症を起こした筋肉は自ら回復を行いますが、この作業が終わる前に同じ部位のトレーニングを行うと、回復が間に合いません。筋分解も進行し、回復はさらに遅くなってしまいます。
また、痛みがあるために、本来のトレーニングメニューをこなすことも難しくなるでしょう。そんな状態で無理にトレーニングに励んでも、パフォーマンスは十分に発揮されません。
トレーニングの効果が低くなり、回復も遅れてしまう。なので筋肉痛がある時の筋トレは、おすすめできないのです。

筋肉痛と筋トレの関係について、少し詳しく説明しましょう。

トレーニングによる筋肉の増加は、ダメージからの超回復として起こります。筋肉に負荷を掛けることで筋繊維を敢えて破壊し、その後の超回復の段階で筋肥大により成長する、という仕組みです。
筋肉痛は、このトレーニングによるダメージが強過ぎることで生じます。超回復がダメージの修復に追いつけていない状態と言えるでしょう。

筋肉痛を感じるということは、その箇所の筋繊維が今まさに超回復の段階であることを意味します。ただその状態でさらに筋トレを行うと、筋線維が修復する前に追い打ちを掛けることになってしまい、修復の効率が悪化するわけです。

筋肉が回復に要する時間は部分ごとに異なりますが、どの部分であっても筋肉痛がある時にはしっかり回復させなくてはいけません。十分に回復した後なら、トレーニングも痛みなく行えるようになり、パフォーマンスも上がります。また、超回復で起きる筋肥大の作用も、休養によって効果の向上が期待できます。

筋肉痛がある状態で行うトレーニングは、パフォーマンスが低下しますし、無理が過ぎると大きな怪我にも繋がりかねません。ですので、筋肉痛がある時には筋トレは基本的に行わず、回復するまで筋肉をしっかり休ませてあげましょう。

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筋肉をより強い状態で再生する作用、「超回復」

「超回復」という字を見ると、「超人の回復プロセス」のような物凄いイメージが湧くかも知れません。しかし実際の超回復は、誰の身体にも普通に備わっている機能です。

人間の身体は、損傷した箇所を自力で修復する機能を持っています。筋肉も、もちろん同じです。
筋肉は、強い負荷が掛かると筋繊維が一時的に損傷しますが、しばらくすると自力で修復を始めます。
この修復は、単に元の形に戻る修復ではありません。トレーニング後であれば、激しい運動にも耐えられる強い筋肉になろうとする形で、修復を行います。
また、この修復のタイミングに合わせて十分な休息と栄養補給を行うと、筋肉はより強い状態で再生します。この作用こそが、超回復です。

超回復のためには、運動後に24~48時間程度の休息を取ることが大切です。休息をしっかり取ると、筋肉は運動前よりもエネルギーを増加させ、大きな回復力を発揮できます。
超回復の際に補給する栄養としては、筋肉の材料となるアミノ酸が良いでしょう。アミノ酸は、24~48時間ほど掛けて筋肉に取り込まれると、筋繊維をより太く、強くしようとする現象を生み出します。

炎症から超回復を果たした筋肉は、筋繊維が壊れる前よりも強くなっています。以前の自分を超える形で、回復するわけですね。

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筋肉痛を和らげるには、まずバランスの良い食事や睡眠が大事

筋肉は自己修復力で筋肉痛を治すことができ、その超回復を実現するためには休息が重要なことが、ご理解頂けたかと思います。

ただ、トレーニングを休まざるを得ないほどの筋肉痛の場合、痛みはかなりのレベルに達しているはずです。トレーニングを我慢して、痛さも我慢しなければならない。これは、少し厳しい状態かも知れません。
ですので、こうした筋肉の痛みを和らげる方法も、ここでは少し紹介しようと思います。

筋肉痛を和らげるには、まずバランスの良い食事や睡眠を心がけましょう。
食事については、疲労に効果的なビタミンB群や、筋肉を修復するタンパク質を、積極的に摂取してください。また、アミノ酸/ビタミンC・E群/糖質/ポリフェノールといった栄養の摂取も、有効です。睡眠については、トレーニングの質によりますが最低でも6時間睡眠を意識すると、治りが早くなります。

痛みの緩和では、血流の流れについても意識してください。
入浴時に湯船までしっかり浸かったり、静的ストレッチを行ったりして、血流の流れを良くしてみましょう。軽めの運動をして体温を上げたり、ストレッチ/フォームローラー/ストレッチポールで痛い部分をほぐして血行を良くしたりしても、痛みの緩和に繋がります。
運動を行う際は、運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウン、そして運動後の入浴をセットで行うと、さらに効果的です。ウォーミングアップにはストレッチや有酸素運動を、クールダウンにはストレッチを行うのが、良いでしょう。運動中/運動前におけるアミノ酸・水分の補給や、カフェインの摂取も、血行を良くする効果があります。

ストレッチを行う際には、筋肉痛の部分を避けた方が賢明です。静的ストレッチであっても避け、炎症箇所はあくまで十分に休息させることを心がけてください。

筋肉痛がひどい時は、トレーニングメニューの見直しも

筋肉痛がさらにひどい時には、炎症を抑えるために痛み止めや湿布を痛む箇所に貼り、しっかり休養を取るのがおすすめです。熱を持っている場合は、アイシングも行いましょう。

筋肉の回復には、もちろん栄養が必要となります。タンパク質やビタミンC・E・B群、糖質やポリフェノールといった栄養素を、バランスの良い食事でしっかり身体に補給してください。

痛む箇所へ栄養を回すためにも、血行はさらに良くしましょう。ぬるめのお風呂に浸かったり、ストレッチや軽い運動を行ったりすると、血流の流れは良くなります。ストレッチでも強い痛みを感じる場合は、血流の流れが悪化している可能性があるため、マッサージや軽めの有酸素運動を行うのが効果的です。

もし、トレーニング後にひどい筋肉痛が頻繁に生じる場合は、トレーニングメニューそのものの見直しを考えた方が良いかも知れません。
また、痛みの治りが異常に長引いたり、痛みがあまりにひどかったりする場合は、肉離れの可能性もあります。ここまで来ると、トレーニングを休んで病院に行くことを推奨します。

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ウォーミングアップとクールダウン、そして栄養補給で筋肉痛を予防

トレーニングを中断しなければならないほどの筋肉痛は、できれば誰もが避けたいところでしょう。
ここでは、筋肉痛を予防する方法についても触れておこうと思います。

筋肉痛を予防するには、トレーニング前後のウォーミングアップとクールダウンが大切です。
トレーニング前のウォーミングアップでは、有酸素運動や動的ストレッチなどの準備運動をしっかり行ってください。この運動は、筋肉内の血管や身体の隅々の血管にまで酸素・栄養を送り届け、体温を上げて筋肉に柔軟性を持たせるためのものです。筋肉に強い負荷が急激に掛からないようにして、筋肉痛を防ぎます。
トレーニング後のクールダウンでは、鍛えた部位にマッサージガンを当てたり、フォームローラーなどでストレッチを行ったりして、筋肉痛の痛みを軽減します。エキセントリック(伸張性筋収縮)の負荷を低減し、クールダウンに努めましょう。

栄養補給ももちろん、筋肉痛を予防する効果があります。
糖質と水分の補給は、中でも重要です。糖質は運動前と運動後に、水分は運動の前後に加えて運動の最中も、欠かさず補給してください。
また運動後には、タンパク質やビタミンB群の補給も効果的です。特に良質なタンパク質は、運動直後や朝食時のタイミングに摂取すると強い筋肉を作ることに繋がり、筋肉痛も予防できます。

バランスの良い食事、適度な休養、そして日頃から身体を動かす習慣を作っておくことも、筋肉痛の予防には繋がります。
また、トレーニングボリュームを増やし過ぎないことも、意識してほしいところです。トレーニングでの重量負荷は、自分にとって無理がないレベルに設定しましょう。自身の身体の状態について正しい認識を持っておくことも、筋肉痛の予防では重要かも知れませんね。

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休む時間もトレーニングのうち。超回復で昨日よりも強い筋肉を

最初の方で述べた通り、筋肉痛がある時の筋トレは基本的におすすめしません。
しかし、どうしてもトレーニングを行いたい場合は、筋肉痛が起きている部位を外して、別の部位のトレーニングを行うのが良いでしょう。
身体を大きくしたい方は、分割法などを駆使して筋肉痛がない部位をトレーニングしてください。

トレーニングの中断は、身体にとっても心にとっても、なかなか辛いものです。
しかし、「休む時間もトレーニングのうち」と考え、休む時にはしっかり休むことが、結局はロスタイムやブランクを短くできる秘訣とも言えるでしょう。それに、あなたが休んでいる時もあなたの身体は休まず超回復を続け、昨日よりも強い筋肉を生み出しています。

繰り返しますが、筋肉痛は超回復の証です。筋肉痛と上手に向き合い、スマートな筋肉づくりに取り組んでください。

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